◆今、注目されているペットシッターって何?
ペットシッターとは、人間の子どもの世話をするベビーシッターのペット版。つまり、飼い主から依頼されてペットの日常の世話の代行をするのが仕事です。
ペットの性格や体質、餌の種類や散歩のコースなどについて事前に飼い主にヒアリングし、できるだけ普段通りにペットが過ごせるようさまざまなケアを行います。餌やりや散歩以外にも爪切りや歯磨き、簡単なトリミングなどを行うこともあるので、ペットに対してある程度の技術や知識を求められます。
とはいえペットシッターになるには、学歴や年齢による制限はありませんし、特別な国家資格なども必ずしも必要はありません。極論すれば、ペットショップなどでペットシッターとして勤務すれば、ペットシッターを名乗ることができます。しかし、これはあくまでも従業員として雇われて働く場合の話です。ペットショップに勤務する場合でも、ペットに関する資格を持っていたほうが有利になるのは明らかです。
◆独立するには「動物取扱業」の登録申請が必要
田舎暮しを考えている人の中には、従業員として働くよりもいつかは独立開業したいという人も多いでしょう。ペットシッターとして開業するためには、法律により、動物取扱責任者として「動物取扱業」の登録申請を行うことが義務付けられています。
動物取扱責任者としての要件を満たすためには、「公平性及び専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、営もうとする第一種動物取扱業の種別に係る知識及び技術を習得していることの証明を得ていること」が条件になります。
その条件を満たす資格は、
(1)愛玩動物飼養管理士(公益社団法人日本愛玩動物協会)
(2)家庭動物販売士(一般社団法人全国ペット協会)
(3)GCT(Good Citizen Test) (一般社団法人優良家庭犬普及協会)
(4)ペットシッター士 (特定非営利活動法人日本ペットシッター協会)
(5)JAHA認定インストラクター(公益社団法人日本動物病院協会)
などがあります。
それぞれ運営団体が異なるため、受験資格や試験内容も異なります。また環境省の定める権利種別に「販売」「保管」「貸出」「訓練」「展示」の5種があり、ペットシッターには「保管」の登録申請が必要になります。また、登録地である都道府県にて年1回以上の研修を受ける義務があります。
いずれかの資格を有すると動物取扱責任者として登録が可能になり、ペットシッターとしての業務が行えるようになります。自宅の一部を改造してペットシッターを開業している例も多く、敷地面積に余裕がある田舎暮しのほうが有利ともいます。
ただし、ペットシッターは毎月の仕事量によって収入が大きく変化するので、生活は不安定になりがちです。そのため、ペットシッターのなかには、平日の夜間や休日だけに限定して副業やアルバイトとして働いている人も多いようです。ですから、自分が移住をしようと思っている地域のペットビジネス業界の市場動向を調査し、需要予測を立てたうえで開業するほうが無難かもしれません。