◆ブリーダーには学歴や年齢は問われない
田舎暮しをするならブリーダーをやってみたいと、思っている動物好きな人も多いのではないでしょうか。ブリーダーとは、ペットの交配から出産、繁殖を手がけて流通させるための仕事で、今のペット業界を根本から支えているといっても過言ではありません。
ブリーダーのうち一番身近なものは犬を扱うドッグブリーダーでしょう。ドッグブリーダーは犬を繁殖させて増やし基本的な躾と健康管理をしながら、健康で良い犬をペット業者に供給することが基本的な役割です。
ブリーダーは専門知識やノウハウが必要とされる仕事ですが、特別求められる資格はなく、学歴や年齢なども問われないため、どのような人でもブリーダーになるチャンスはあります。
かつてはブリーダーとして活躍している人の下で経験を積む人も多かったようですが、最近では、ブリーダー養成のための専門学校や通信講座で、知識を身に付けたりするのが一般的です。ブリーダーとして大きく稼げるのはほんの一握りのトップブリーダーだけです。ですから、いきなり独立するのではなく、ペットショップなどに就職してまずは知識や経験を積むことから考えていくほうが無難です。
また、ブリーダーとしてペットの販売を行うためには「動物取扱業」の届出が必要になります。この方法は、各都道府県で若干の違いがあるため、保健所などに確認してください。
たとえば東京都の場合は、第一種動物取扱業者で半年以上の実務経験を積むか、養成学校など知識及び技術について一年間以上教育する学校などを卒業するか、愛玩動物飼養管理士など、知識及び技術についての資格認定試験に合格するかしないと認められません。そういった点でも、専門学校などで「訓練士」や「動物看護士」「愛玩動物飼養管理士」などの資格を取っておいたほうが長い目で見たときには効率的といえます。
◆自然環境が豊かな田舎は、ブリーダーにとっては天国か
ブリーダーとして社会から認知され長く活動していくためには、いくつか条件があります。犬や猫などの動物が好きであることが第一条件です。そのうえで、動物の血統に関する知識や病気や遺伝に関する生物学的な知識を身につける必要があります。想像していた通りの繁殖ができなかったり、生まれた動物に原因不明の障害が出てしまったり、場合によっては生まれてすぐ病気になり命を落としてしまう可能性も少なからずあるからです。
三つ目の条件は、趣味として行うのかビジネスとして行うのかをハッキリ見極めることです。大量繁殖を目的とし、きちんと健康管理をしないで繁殖を続けたり、本当は病気を持った子犬なのにそれを隠したまま販売してしまったようではプロ失格です。
ブリーダーは、複数の動物を一度に飼う「多頭飼い」が基本となるため、世話にかかる時間はとても長くなります。一日の大部分を動物と一緒に過ごすことも珍しくありません。自分よりも動物中心の生活を送ることになります。とにかく動物にとって快適な生活、環境づくりを最優先に考えることが求められます。そうしたことを考えると、自然環境が豊富な田舎暮しのほうが、ブリーターという仕事には向いているともいえます。