山ガールブームもあり、注目されている「山岳ガイド」
最近は山ガールという言葉が流行っているように女性の間でも登山を楽しむ人が増えています。そんな山のスペシャリストとして、田舎暮らしを目指している人の間で注目を集めているのが「山岳ガイド」です。
山岳ガイドは、社団法人日本山岳ガイド協会が認定する民間資格です。国家資格ではありませんが、同協会によると有資格者は850名になり、年々増加しているようです。
資格としては以下の7種に分かれて、学科試験と実技試験を受けなければなりません。
(1)自然ガイドステージⅠ
国内において、無積雪期の森林、野山、河川を含む、人間社会と隣接する里地・里山地域及び山地・高原での自然や民俗を解説するエコツアーなどの自然ガイド行為を行う。
(2)自然ガイドステージⅡ
国内において四季を通じて森林、野山、河川を含む、人間社会と隣接する里地・里山地域及び山地・高原での自然や民俗を解説するエコツアーなどの自然ガイド行為を行なう。
(3)登山ガイドステージⅠ
国内において無積雪期山地でのよく整備されたルートでの登山ガイド行為を行う。
(4)登山ガイドステージⅡ
国内において無積雪期山地でのよく整備されたルート及び四季を通じ 山地、高原などの地域での登山ガイド行為を行う。
(5)山岳ガイド
国内にて1年を通して一般登山ルートのガイド行為を行う。雪稜ルートは不可。
(6)登攀ガイド
日本国内で季節を問わず全ての山岳ガイド行為を行う。
(7)国際山岳ガイド
アルプス、ヒマラヤなど世界の山々のガイドを行う。
「山岳ガイド」に必要なのは体力だけではない
日本山岳ガイド協会は、2003年に設立されたばかりの新しい組織で、自然ガイド、山岳ガイドといった資格も知名度はさほど高くありません。
しかし昨今のエコツーリズムの推進などにより、突出した登山経歴もない人にとっては、こうした資格を取得することは、非常に有利になることは間違いないでしょう。
体力勝負と思われがちな山岳ガイドですが、一流アスリート並みの体力は必要ありません。なぜなら1000万人ともいわれている登山人口ですが、その大半が中高年であり、その何割かはごく普通の高齢者だからです。高齢者にできて、中年や若い人にできない、ということはあり得ません。
体力や安全管理能力や判断力、もろちんそれなりの登山技術も必要になりますが、お客に「いい体験ができた」「楽しかった」という気持ちにさせることが大切であり、その結果、リピータ率を高めることになります。そのためにはプランニング能力、コミュニケーション能力なども必要となるでしょう。
山岳ガイドの資格を取得した場合、その就職先としては複数の山岳ガイドをかかえる会社やフリーの山岳ガイドとして活躍する他、旅行会社と契約してツアーガイドや企画立案にも携わることもできます。
収入はボランティアクラスから年収300~400万円程度で決して高収入を望めるものではありません。ただ3月~11月までが主な活動時期なので、それ以外はアルバイトなど別の仕事をすれば、田舎で暮らすには十分といえるかもしれません。